書評 『聞く力ー心をひらく35のヒント』阿川 佐和子・著

聞く力ー心をひらく35のヒント

『聞く力ー心をひらく35のヒント』
阿川 佐和子 著  文春新書


はじめに

わずか9ヶ月で60万部という売れゆきの“話を聞く”ことをテーマにした本をご紹介したいと思います。

先日、書評を書かせていただいた、池上彰さんの「伝える力」の中でも触れていましたが、“聞く力”の重要性は、ビジネスに限らずコミュニケーションにおいてとても重要とされていますね。
テレビでもお馴染みの阿川さんが書かれた本だからなのか、それとも人の話を聞くのが苦手だったり、下手な人が多いからなのか定かではありませんが、どんな「聞く力」のヒントを学べるのか楽しみな一冊です。

著者紹介

Amazonより引用

阿川/佐和子
1953(昭和28)年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部西洋史学科卒、81年『朝のホットライン』のリポーターに。83年から『情報デスクToday』のアシスタント、89年から『筑紫哲也NEWS23』(いずれもTBS系)のキャスターに。98年から『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)にレギュラー出演。99年檀ふみ氏との往復エッセイ『ああ言えばこう食う』(集英社)で第15回講談社エッセイ賞を、2000年『ウメ子』(小学館)で第15回坪田譲治文学賞を、08年『婚約のあとで』(新潮社)で第15回島清恋愛文学賞を受賞。

この本の概要

インタビューが苦手だった阿川さんが、これまでの1000件近いインタビューや、30回以上のお見合いの経験をもとに、人から教えられたり反省から学んだコミュニケーション術を紹介されています。

自身の失敗談や成功例など、様々なエピソードや経緯を交えながら紹介されてる“心をひらくヒント”は、改めて気付かされる部分が多く、今日から活用できるノウハウといえるでしょう。

この本からは、聞くことの重要性、聞くことの難しさや楽しさについて、さらに、自然に心をひらいてしまう“聞き方のコツ”を学ぶことができます。

マーカーポイント

●「聞く」だけで、人様の役に立つんだ

●相手が「この人に語りたい」と思うような聞き手になればいいのではないか。

●ゲストに「アンタの顔を見ていたら、いつのまにか、喋っちゃたよ。あー、楽しかった」と嬉しそうに帰っていただくことです。

●過ぎ去った不快なできごとは、当人が思い出さないかぎり、黙っているに越したことはないという教訓も、重々、学びました。

●「今さらこんなことを伺うのもナンですが」と、勇気を奮って聞いてみたところ、思わぬ収穫を得る場合があります。

●話を聞く。親身になって話を聞く。それは、自分の意見を伝えようとか、自分がどうにかしてあげようとか、そういう欲を捨てて、ただひたすら「聞く」ことなのです。

●ただ聞くこと。それが相手の心を開く鍵なのです。

●この「オウム返し質問」は、概して驚いたときに使いますが、その言葉を再度、ピックアップして叫ぶことによって発した語り手自身の心を換気させる効果があるのでしょうか、「オウム返し」の次につながる答えは、その言葉をさらにかみ砕いた話になることが多いようですね。

●そういう大事なポイントは、得てして、ほんの小さな言葉の端に隠れているものです。

考察

阿川さん人柄がうかがえる、読みやすい文章で書かれているのが好印象です。

人の話を聞くというと“傾聴”という言葉がありますが、しっかりと耳を傾けるだけではないようです。
著書の中でも紹介されてますが、相手が話しやすい状況を作ったり、話を引き出すための呼び水になる質問をしたり、適切な相打ちをうったりと様々な配慮が必要なようです。
これらのことは知っているけど、なかなか上手く出来ないのが現実ではないでしょうか。

「聞く力」といえば、かつてアメリカで20件以上の結婚詐欺容疑で逮捕された男性がいたそうです。
取り調べ時に「どうやってこんなに多くの女性を騙したんだ?」という尋問に対し、容疑者は「私は彼女たちの話を一生懸命に聞いただけです。」と答えたそうです。

“聞き上手の男はモテる”という話を聞いたことがありますが、話をちゃんと“聞く”ということは、それだけ人の心をひらき、動かす力を秘めていそうですね。
聞き上手になれるよう、この本から学んだことを活かしていきたいと思います。

こんな方におすすめ

  • 人の話を聞くのが苦手な男性
  • 聞き上手になりたい方
  • コミュニケーション力を高めたい方
  • 仕事でヒアリングをする機会がある方

最後までお読みいただき、ありがとうございました。